2010-05-01

Chaotic Next Stage                      第15号

                                                  発行責任者  稲崎義明

クラウドコンピュータについて(4)

 

クラウドコンピュータを使うといってもなかなか実感がわきませんが、個人で使う場合と会社で使う場合と分けた方がいいかもしれません。

まず個人で使う場合。といっても個人とはいえ仕事で使うのですが。今個人で使えるクラウドのサービスにはいろいろあります。全部をgoogleでそろえてみると、まずメールとしてgmailがあります。このメールはもちろんWebメールですが、革命的なメールといわれています。どこが革命的なのでしょうか。まず上げられるのは一人あたりの保存容量が大変大きいということです。それまでも無料のWebメールサービスがありましたが、最初から1GBで他のWebメールとは2桁ほど違っていたそうです。もちろん他のサービスも追従しましたが、gmailには他とは違ったところがありました。それが「操作性」です。Webメールはもちろんブラウザで表示するものです。ホームページを作ったものからすると、ホームページは静的なもので画面を変更する(たとえばメール受信の場合)たびに画面全体を再読み込む必要があります。高速な通信回線であればそれほどではないでしょうが、たび重なるとやっぱり使いづらいものになります。そのためやはりメールはメールソフトでとなり、Webメールは補助的なものとされてきました。その点gmailは「操作性」が良く使い易かったということです。画面の変更を最小限に押さえ、キーボードショートカットが使えたりしてローカルのアプリと同様に使えることによって使われていきました。また。大容量である事からメールを消す必要がなくなったということになります。もちろん、1GBの容量は会社のメール容量としては小さいかもしれませんが一般的なメールとしては十分で、データがすべてサーバにあるわけですからこれまでの様に、パソコンの買替でデータの引越をする必要もありませんし、サーバ側でデータのセキュリティが守られていれば、パソコンの故障でデータが消える事もありません。ただし大容量のデータとなると必要なものがさがせるかが問題となります。これまではそのためにフォルダを分けたりしてきました。しかし、gmailの場合はgoogleのものである事から、検索は十分な能力がある様です。確かに検索するのはサーバ側ですから、ローカルのパソコンの能力が影響するわけではありませんが。もうひとつgmailの場合、ブラウザがあれば内容が見れるわけですから、パソコンが無くても携帯電話で見ることもできます。

他のクラウドのサービスとしてオンラインストレージがあります。メールだけでなくデータもネット上に保存しようとするもので、画像データ中心のオンラインフォトストレージから、データを中心としたものまであり、個人で使う以外に復数の人で共有したりできます。使い方もWeb上に登録するものや普通のディスクと同様に使えるもの、バックアップ中心で自動でローカルディスクの内容をバックアップするものもあります。

また、クラウドではメールを使ったりオンラインストレージを使ったりする以外にコンピュータ自体を利用するサービスもあります。コンピュータリソースをネット上で時間貸しすると言うもので、「HaaS」であるとか「IaaS」と呼ばれているサービスです。必要なときに必要なだけサーバ上に仮想マシンを構築して利用できるもので。Amazonのサービスの場合、LinaxのサーバにXenと言う仮想ソフトを使って構築しているようです。技術的なテストをする場合など急にマシンが必要となった場合にいろいろ使われているようです。ローカルであっても、これまでであれば、サーバにどのシステムを導入する、容量が小さくなったらサーバごとに増強するなどとなっていましたが、クラウドの場合はサーバを1つのまとまりとして全体で考えることができるということです。      (次回へ続く)