2009-1-1

Chaotic Next Stage                       創刊号

                                                  発行責任者  稲崎義明

Chaotic Next Stage」新創刊にあたって

 

「混沌とした中から」の休刊から2ヶ月がたち、長い間のメールマガジンの発行から足を洗ったはずでしたが、やっぱりというか、なんというか、そろそろ次があってもいいかと思うようになってしまい次のを創刊することとします。ただし、今回は発行を定期とはしません。大変ですから。また、内容は特集の書き物のみとします。そのため一回の発行は1ページのみが基本で、ちょっと多くなって2ページ目があるかどうかになる予定です。

では創刊号の内容ですが、1月1日にはじめたことで想像できるでしょうが、今年1年についてのコンピュータの世界についての思いから始まります。

2009年ですが、これまでにない不況の嵐が吹き荒れているようですが、なんだか急になってきたような気がして、どうしたものだか対応がうまくいかないといった状態です。大体、2008年の夏ぐらいまでは経済状態が厳しくなってきたとはいえそれほどでもないように誰もが思っていたのではないでしょうか。サブプライムローンの問題もありましたが、日本の金融問題のようなことはなく、しっかりと終わるんだとテレビでもいっていたような気がします。しかし、リーマンブラザース証券の破綻からこっち急にいろいろな会社が各国政府に救済を求める様になって、自動車メーカの世界的不振などが進んでしまい、これから先、すぐには元に簡単には戻らないでしょう。大企業が不振になれば失業者が増え、ローンが成立しなくなって高額なものが売れなくなり消費の全体が小さくなってしまうという悪い下降スパイラルが回っている状態になっています。

経済の話はこのぐらいとして、もちろん経済状態の影響から離れるわけではないのですが、コンピュータの世界はどうなるのか考えてみます。ここ数年どうもハードウェアとOSについては落ち着いているようです。特にOSはすでにVistaが出てもうすぐ市販から2年になりますが、どうでしょうか。どうも普及しているとは思えないのではないでしょうか。マイクロソフトの幹部にも見捨てられたOSといわれているとも聞きたりします。現在主に用いられているXPの出来がよかったかどうかはわかりませんが、いまだにXPが中心のままです。XPの前が98だったと思いますが、何とかそこまではマイクロソフトの戦略どおり2年毎のOS交代が何とかうまくいっていました。そこまでは何とか性能アップがユーザに受け入れられていたようです。そういえば、元々Windowsの系統にも2系統あり、DOSを基にしたWindows3.0、3.1、95などの16ビット系統と、NTを基にした32ビット系統があり、XPでその2つの系統が統合されたことになっています。純粋なNT系統の最後の2000は、いろいろ資源(HDやメモリ容量)が必要なため動作が重くて、主にサーバ用に使用され(クライアント用のworkstationもありましたが)、ほとんどサーバ用OSとも思われていたものです。なんとか統合されたOSとしてXPは何とか普及しましたが、Vistaはうまくいかなかったようです。ちなみに内部バージョンはXPがNT5.1で(2000がNT5.0)VistaがNT6.0と完全に新しいバージョンだったのですが、なかなかうまくリリースされなかったり、XPの回収に注力したりしたこともあり、また、新機能が余り必要とされなかったことなどがあり普及しなかったのではないでしょうか。さて、今度はその次となるWindows7が登場する予定だそうです。7といいながらバージョンは6.1のようで、サーババージョンはServer2008としてすでに発売されています。

さて、OSの話はこのぐらいとして、ハードウェアですが、一応CPUは高性能となり、2CPUのや4CPUのものが端末にも利用され、メモリも1GB以上が普通という状態です。しかし、あまり取り立ててぱっとしないかなと思ったりします。周辺機器としてもUSBなどによる機能追加が中心で、LANもTVも簡単にできるようになっています。PCの寿命はすでに長くて3年となっていると言っていい状態です。ハードウェア自体は6年でも7年でも使えるのですが、実際使えるかと言えば使えないといっても差し支えないと考えられます。大体が遅くなっています。以前はそのままでも使えたものが、長年使い続けることにより常駐するアプリケーションが増えたりしたそのままでも遅くなっているのが現実です。確かに、一度全部初期状態にしてしまえば元に戻るでしょうが、いろいろなものを入れてきたでしょうからなかなか大変ですし、このごろはリカバリのCD(DVD)も自分で作らなければならないのでまた大変です。ということで購入となるのですが、このごろのPCの価格もだいぶ安くなっているので、さらに新しいものとなっています。そこそこの性能でよければの場合ですが。

今年のコンピュータの環境についてですが、あまり表立ってのニュースはないというのが今年ではないでしょうか。Windows7は出るかもしれません。世界的経済恐慌の影響がここにも出るかもしれません。何も新しいOSにしなければならない必然性が見つからないことから、これまで買い換えていたユーザも新しいものに飛びつかなくなっているのではないでしょうか。時代は変わっているのです。あるOSが独占する時代は終わりになってしまっています。何とかプレインストール版の販売をやめさせて、新しいOSを買わせようにも現実はいろいろな方法で購入できます。また、それだけのニーズもあるということです。XPでは使えるけどVistaで走らないよというアプリケーションがいっぱいです。これまで通り、あるいはこれまで以上にOSにしろアプリケーションにしろ選択肢がいろいろあり、使われていくでしょう。これまでの互換のものは完成度が低かったりして使えるものまでにはいたっていないものが多かったようですが、このような経済状態では特に注目され、その完成度はアップしていくことによってよりいっそうそのような傾向が進んでいくものでしょう。PCの本体周り(OSと主要なオフィス用アプリ)はこんなものでしょう。

私もマイコン、パソコンなどコンピュータにかかわり始めてもう30年がたち、いろいろな変化を見てきたような気がします。初めのころは一から十までその動きを指示(アセンブラ)してきたものが、割と早く(1,2年で)パソコンの登場となり、その後パソコンは高機能化し、ネットワークは全世界へと接続し、全世界に対しても情報発信できるようになりました。なんという変化の速さではあります。その変化がこの数年PCしては少なくなっているのではないでしょうか。表面的には。これまではパソコンの周りを追いかけていれば何とか動きがつかめていました。しかし今は、ネットワークが中心となってなんだかわからなくなっています。常時接続環境にパソコンを接続しておくということは、しっかりした対策が採られていなければ、誰かが入ってきて勝手にプログラムが動いているかもしれないのです。そんなことは無いとお考えかもしれませんが、十分ありうる話です。PCの中で何が動いているのかわからないわけですから。PCから次の時代はどうなるのでしょう。より一層生活に自然な形で入り込んでくるでしょう。しかし、なんだかよくわからない。混沌とした次の時代はどうなるのか見極めて行きたいところです。そのため今回のメールマガジンの名前は、「Chaotic Next Stage」です。

今後ともよろしくお願いします。       (以上)